大阪弁のグローバルデザイン

大阪人 11月号
文 杉崎真之助

先日あるパーティの席で、なぜ東京ではなく大阪で仕事をしているのですか、と聞かれました。同じような質問をされることがたまにあります。聞くのはどういうわけか大阪の人です。デザインは経済や情報と結びついた現実的な仕事なので、いわば都市型のビジネスです。だったら大阪がいいじゃないですか、と心の中で答えます。

もちろん大阪でいいのです。しかし、デザインをしていく上で大阪や関西といった地域性を表現に出そうと考えたことはありません。逆に、できるだけ個性やローカルなバイアスをかけないように心がけています。安易に大阪弁でコピーを書くとかは大きらいです。なぜなら、デザインで伝える相手は日本語がわかる人全員なのですから。

アイデアを考える会議やプレゼンテーションで説明をするときにも、標準語を使います。デザインはある種の計算であり、設計ですから、理屈と文脈が大切です。当然使うのは論理的に磨かれてきた歴史をもつ標準語になります。
 
では、頭の中でコンセプトを考えている時はどうなのでしょう。与えられた条件や情報を読み込んだり、方向性を検討するのはやはり標準語です。
 
ところが、デザインの答えを導き出すのは理屈や言葉ではなく、いわば言葉にできない直感や霊感です。なぜかというと、言葉や論理を意識して標準語でやっていると、私の頭の中でスピードが追いつきません。「こういう理由でこの形態が適切であります」では、新鮮でクリアなアイデアがどこかに消えてしまうのです。

頭の中のヒミツをひとつばらすと、こうです。非言語の直感や霊感と日常的な言語をつないでくれているのが、実は大阪弁なのです。アイデアに対して「これでええやん」「ちゃうちゃう」「なんでやねん」などと大阪弁の突っ込みが入っているようです。右脳と左脳の漫才でしょうか。

私は人口3万人あまりの山に囲まれた盆地、奈良県五條市で生まれました。小さい頃、よく大阪に遊びに連れていってもらいました。田舎から一時間半かけて、天王寺駅や高(ハシゴ高)島屋のある難波駅に着くのです。ホームを出ると子供の敏感な鼻で車の排気ガスの匂いを胸いっぱいに吸いました。それは都会の匂いでした。トロリーバス、アドバルーン、デパートの食堂のプリン。大都会、つまり私にとっては大阪への憧れがその頃しっかりと形づくられたのです。

大学では大阪から滋賀、京都、神戸、広島あたりまでの学生が多かったこともあり、ミックスされた「関西系なまり」が自分の中で定着しました。ことさら大阪弁を使えるようになろうとは思いませんが、関西アクセント系日本語が私にとってはしっくりきます。
私は大阪で仕事をしているというよりも、大阪弁で仕事をしているのです。           
 

「Envirograph 世界をグラフィる」開催

2006.07.24月ー08.03木 09:00ー17:15(土・日休館)
平和紙業 ペーパーボイス大阪 大阪市中央区南船場2-3-23
藤田 隆、杉崎真之助、高田雄吉の3人のデザイナーが、コミュニケーションデザインに焦点をあてた展覧会を開催。地球や環境について重要な意味を持つさま ざまなデータを情報デザインによってグラフィック化する新しい試みです。07.24月18:00からオープニングパーティ。

 

Paper Design Sakura Project Six Exhibition「紙をデザインする」出品

2006.07.10月ー29土 12:00ー18:30(土曜は17:00まで・日曜休)
2006.08.01火・02水・05土・06日 10:00ー17:00(オープンキャンパス開催中は開廊)
大阪成蹊大学 芸術学部 スペースB 京都府長岡京市調子1丁目25-1
荒木志華乃、岡信吾、嶋高宏、高橋善丸、杉崎真之助、藤田 隆の6名のデザイナーが、新しい紙の開発に挑戦。紙というメディアへの認識をより深めることをめざした展覧会です。

公開講座 2006.07.22土 14:30 入場無料
大阪成蹊大学芸術学部121教室
6人のデザイナーによる紙作りの話を中心に、日常のグラフィックワークと紙の関係を語ります。

「第8回世界ポスタートリエンナーレトヤマ」入選

富山県立近代美術館主催の世界ポスタートリエンナーレに杉崎真之助が入選。受賞作品はシルクスクリーンの印刷会社の25周年を記念したポスターです。また 事務所スタッフの鈴木信輔が初の個展「polyhedron」で発表したポスターも入選しました。入選作品の展覧会が富山県立近代美術館で 2006.07.01土から08.10木まで開催されます。 

「第85回ニューヨークADC賞」入選

世界でもっとも権威のある広告賞のひとつ、ニューヨークアートディレクタークラブの Awardに、杉崎真之助が制作した「シアターBrava!」のポスターが入選。

 

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「ECO BAGS SAVE THE EARTH」巡回展 作品展示販売

2006.05.30火ー06.05月 三越新潟店・仙台店・福岡店
2006.06.14水ー30金 松坂屋名古屋本店
クリエイションギャラリーG8の2005年末チャリティ企画「280人のクリエイターによるオリジナルエコバッグ展」の巡回展が各地の百貨店などで開催され、 杉崎真之助の作品も展示販売されます。続いて新潟県立近代美術館、札幌にも 巡回予定です。

 

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「大阪府デザイン・オープン・カレッジ5月開講コース」で杉崎真之助のセミナー

デザイン発想−グラフィックデザイン編
2006.05.18木 グラフィックデザインのおわり、そして、はじまり
2006.Merit05.25木 ミュニケーションデザインの原理
14:00〜17:00(2日間) 別途講師との交流会<5月25日>を予定しています。
会場:マイドームおおさか 定員:30名 受講料:6,000円(2日間)

事例と体験を通してコミュニケーションツールとしてのデザインの本質をさぐるこころみ。

「キヤノン大判プリンターソリューションフェア2006」でセミナー

2006.05.12金 名古屋 講演時間16:00〜17:00
2006.05.16火 品川 講演時間15:00〜16:00
セミナーD ラージフォーマットでデザインするということ
ラージフォーマットにおける発想のあり方と方法論について。

講師:杉崎真之助 協賛:株式会社エムディエヌコーポレーション

「日韓工芸文化交流展」出品

2006.05.10水ー18木 09:30−16:30(土日休館)
韓国領事館2階展示室 大阪市中央区西心斎橋2-3-4

日本と韓国の美術、工芸、デザインの交流展。杉崎真之助の作品が展示されています。

「タイポグラフィデザイナーズ」作品掲載

日本タイポグラフィ協会編 アートボックスインターナショナル刊 4,830円
タイポグラフィにこだわるデザイナーの作品集。関西のタイポグラフィデザイナーが多数参加しています。
アートボックスインターナショナルでは2006.03.27月ー4.1土、Art Box ギャ ラリー (東京)にて出版展覧会が開催されました。

「ブランディングデザイン2」作品掲載

グラフィック社編集部編 9,500円(税別)
ブランディングデザイン事例集第2集。国内外のデザイン会社や有力デザイナー、コンサルティング会社が参加し、最新のブランディングプロジェクト事例から約230例を精選して収録。

「ブックカバー展」出品

2006.01.10火ー24火 11:00ー18:00(月曜日定休
美篶堂 ショップ・工房・ギャラリー 東京都千代田区外神田2-1-2 東進ビル本館1F
日本タイポグラフィ協会主催のブックカバーの展覧会に杉崎真之助をはじめ全国の会員デザイナー30名が参加。01.10火18:00よりオープニングパーティが開かれます。

「アルゴット化粧品」WEBサイト掲載

スキンケア化粧品アルゴットのWEBサイトに、杉崎真之助がデザインの考え方やアルゴット化粧品のパッケージデザインについて語ったインタビュー記事が掲載されています。

「Meggs’ History of Graphic Design」第4版 作品掲載

Philip B. Meggs, Alston W. Purvis著 John Wiley & Sons刊 75ドル
アメリカで定番となっているグラフィックデザインの歴史の本。ビクトリア朝 の時代から現代までを包括し、社会史と並列してデザインヒストリーを学べる ように構成されており、アメリカのデザイン学校で広く使われています。
 

「現代平面設計与制作実用手冊」作品掲載

黒龍江科学技術出版社刊 黄炯青著
ロゴから書籍、パッケージまで幅広くグラフィックデザインの制作プロセスを解説。中国深?、香港の有力デザイナーが編集に参加。


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「100万人のキャンドルナイト」出品

2005.12.22(木) 18:00ー22:00(ライトダウン20:00ー22:00)
雨天の場合は23(金)に順延(23も雨天の場合は中止)
大阪市北区西梅田ー梅田一帯
冬至の日に電気を消してスローな夜を過ごそうという全国的なキャンペーンを大阪でも開催。杉崎真之助などデザイナーやアーティスト、学生たちが参加し、消灯した街にキャンドルの光を使ったアートが静かにまたたきます。
1000000人のキャンドルナイト

展覧会「はたらくことば」開催

2005.12.20火ー2006.1.18水 9:00ー17:00 (12.29ー01.03と土・日祝は除く)
大阪府庁本館 地下1ー6F廊下
詩人の上田假奈代と杉崎真之助のコラボレーションによる「ことばアート展」を大阪府庁で開催。
●オープニングミニライブ「おひるやすみのはたらくことば」
20火12:20ー12:55、正面玄関エントランスに上田假奈代や声楽家の北村多恵が登場。

「粋をのむー飲む器のデザイン展」出品

2005.12.08木ー15木 10:00ー17:30 (土・日休館)
平和紙業ペーパーボイス
杉崎真之助など各界のデザイナー19名が参加するDAS(総合デザイナー協会)主催の展覧会。自由な発想と素材を生かして創作した「粋をのむ器」を発表します。12.08木18:00よりオープニングパーティ。

G8「ECO BAGS SAVE THE EARTH」出品

2005.11.28月ー12.22木 11:00ー19:00(日・祝休館) 入場無料
クリエーションギャラリーG8 ガーディアン・ガーデン
恒例となったG8の'05年末チャリティー企画は、280人のクリエイターによるオリジナルエコバッグ展。国内外で活躍中のアーティストやデザイナーが多数参加し、杉崎真之助も出品しています。作品はコットン製の買物袋、3,500円で展示販売されて収益金がユニセフに寄付されます。

「HKDA Award Exhibition」入選作品展示

2005.11.20日ー23水・祝
Hong Kong Convention and Exhibition Center
杉崎真之助の作品2点が香港のHKDA AWARD 05に入選し、展覧会とセレモニーが開催されました。

 

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フリーペーパー「Plug」創刊

アート関連の多彩な動きを独自の視点で紹介する季刊誌「Plug」のデザインを真之助事務所が担当。大阪府立現代美術センターと大阪大学コミュニケーションデザインセンター、NPO recipの協同プロジェクトです。10月に続き12月末に第2号を発行。

「Asia Pacific Graphic Desig Exhibition」入選作品展示

2005.10.19水ー11.03木・祝
広州美術学院美術館
中国で開催されたアジア太平洋デザイン展に杉崎真之助の作品が入賞。また作品は「Almanac of Asia-Pacific Design 2005」(Heilongjiang Arts Press刊、Sandu Culture Organization編)に収録されました。

 

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「Berlin – seen by AGI」ポスター展示

世界的なグラフィックデザイナーの団体AGI(国際グラフィック連盟)が2005年大会を09.21水ー25日にベルリンで開催。会員の杉崎真之助がポスター「Berlin」を展覧会に出品しました。

 

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「色・いろ デザインとネットワークの新しい世界」展覧会

2005.05.26木〜31日火 12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
FUKUGAN GALLERY 大阪市中央区西心斎橋1-9-20 4F 
新しいバーコードフォーマット「カラーコード」をテーマとした展覧会に、杉崎真之助をはじめデザイナー20名が参加。26日木18:00よりオープニングパーティを 催します。